当研究所では、チームの活動を評価・改善するために、「ドナベディアンモデル」による評価を研究してきました。ドナベディアンモデルでは、Structure(構造)ーProcess(プロセス)ーOutcome(結果)の3つの切り口で評価します。
ドナペディアンモデルは本来医療を対象にしたもので、
- Structure (構造)…医療施設や設備の規模、医師や看護師の人数などの資源や組織的特徴
- Process (プロセス)…治療、看護、手術など医療にどのように行ったか
- Outcome (結果)…治療による成果や患者の満足度など結果としてどのようになったか
を切り口とします。
このモデルを、ビジネスにおけるチームの活動に適用しようというのが当研究所の試みです。
1.ステップ1
現状のチームのStructure (構造)を確認するため、チームの構成員である各メンバーの、(1)気質タイプ、(2)AG/PVタイプ、組織的特徴を示す(3)組織コア(立ち位置)、を測定します。
併せて、(4)「拡散的/収束的思考」*、(5) 「自己主張/成長型」・「他者受容/配慮型」*の測定も行います。
[*拡散的思考/収束的思考」は米国の心理学者ジョイ・ギルフォードが提唱したもので、「拡散的思考」とは、唯一の解を追求するのではなく、新しい発想を無数に拡散させる思考。この思考は「不確実性が上がる」方向へ向かう。人間には、自分の知らない世界を知りたいという興味や好奇心があり、この「拡散的思考」は創造性の発揮に重要とされる。他方、「収束的思考」とは、ある問題について、唯一の解を追求する思考である。この思考は「不確実性」が下がる」方向へ向かう。創造性を発揮するためには、「拡散的思考」と「収束的思考」の2つをバランスよく使い、生かし合うことが必要である。]
[*人の思考には「自己主張/成長型」と、「他者受容/配慮型」の2つがある。これによりその人の対人対応がどのような傾向をもつかが分かる。]
2.ステップ2
チームの活性化を試みます。
3.ステップ3
ステップ1で確認した指標がどのように変化したのか、を測定します。
結果:
測定結果の評価を行ったところ、チームの活性化を試みた結果として、概ねチームの成長や成果につながっていることが分かりました。ステップ2の「チームの活性化」の有効性が実証されたことになります。